1940年代の初代XK120は、アルミニウムパネルを採用していました。そして、レーシングカーのC-TYPEとD-TYPEは1950年代のル・マンを席巻し、1960年代にはE-TYPEが世界に先駆けて軽量アルミニウムのシャシーとボディを導入しました。 2003年、ジャガーを象徴するXJが接着剤と特殊なリベットで接合したオールアルミニウムボディ構造で再設計。先代モデルから40%もの軽量化を実現しました。 現在のジャガーは、サルーンからスポーツカー、SUVまでの幅広いモデルが第5世代のアルミニウム構想を採用しています。
アルミニウムのメリットは、まず重量がスチールの3分の1に抑えられることです。 これにより、大幅に軽量化したシャシーの構築が可能で、燃費とCO2排出量を低減しながらダイナミックなドライビングを堪能できます。 アルミニウムのシャシーで100kg軽量化すれば、その車はCO2排出量を9g/km、ライフサイクル全体の燃料消費を最大800リットル削減できます。
さらにアルミニウムは、重量を削減しながらより強固で安全、信頼性の高い車を作り出すことができます。
私たちは、この素材の力を最大限に引き出す方法を知っています。 アルミニウムシートは、アウターパネルには厚さ0.9mmのものを、より強度が必要な部分には厚さ最大3mmのものを使用します。それらが複雑で強靭な形状とフォームに加工され、最大2,000トンの力で1mmのズレもなく接合します。 その驚くべき結果として、 F‑PACEのサイドパネルはジャガーの中で最大級のものですが、重量はわずか5.8kgです。
私たちは航空宇宙産業の技術を活かし、アルミニウムシャシーを構築するための「リブボンディング」という革新的な手法を生み出しました。 アルミニウムパネルを超強力な接着剤で貼り合わせ、亜鉛メッキ処理したボロンスチール製リベットを用いて最大10トンの力で接合するものです。
塗装工程でシャシーを170℃で焼き付けると、圧着したアルミニウムは極めて強固になり、薄いアルミニウムシートが並外れて強い構造へと生まれ変わります。 ピュアスポーツカーF-TYPEのアルミニウムモノコックはわずか261kgで、傑出したねじり剛性を備えています。 XEでジャガーのアルミニウム技術はさらなる次元へ進化し、最も強靭なサルーンが誕生しました。
アルミニウムの製造工程は静かでクリーン、従来のスチール製シャシーよりエネルギーの消費も少なくなります。さらに再生アルミニウムは、通常のアルミニウムと比べてわずか5%のエネルギーで製造でき、素材の品質や構造面で妥協することもありません。 これらすべてが、環境負荷の低減に貢献しています。
アルミニウムを採用したジャガーのシャシーは、重量の削減により効率化と刺激的なパフォーマンスを生み出すだけでなく、耐久性や信頼性を支えるものです。 新世代のインジニウムエンジンは、鋳造アルミニウムのブロックとヘッドを採用して24kgの軽量化、17%の摩擦削減、5デシベルの静粛化を実現しました。
ジャガーの最新モデルは、安全性と効率性、信頼性を隅々まで貫いています。